如玄ノバク & エバ・ハディドン
如玄ノバク & エバ・ハディドン

心月庵

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Nyogen Nowak & Ewa Hadydon


 大梅寺は仙台城の西後方の蕃山(367m)の山中に在る山寺である。1650年に仙台藩によって創設された臨済宗の古道場である。

 1993年3月の或る日、如玄和尚とエバ大姉が春風に吹かれながら、ひょっこりと石段を上って来て座禅をしていった。これが結ばれた機縁である。お二人は夫々に、水墨によって禅画と密画に画筆を振るい、夫々に素晴しい領域に到達している。

 人は言う。「禅は自然である。簡素である。不均衡である。脱俗している。静寂である。枯高である。幽玄である。」と。然し、これは禅に対する相手が言う感想である。禅者がそれを意識するならばそれは、偽者である。自覚しない本人から自然に泌み出てくる味でなければならない。.

 禅は説明や言論は必要としない。座禅を透して体験することにある。禅画も同様である。無駄な説明の線や余計な墨の跡は、却って煩わしくなり、本質から遠く離れることになる。無意識の禅の心で描くのが禅画である。

 如玄和尚の筆力は一段と冴えつつあり、今後の一層の精進によっては、将来、後世に名を残すかも知れない。私は彼の作品の中でも、特に禅者と小動物との対話の中に、一瞬の動きの描写に注目している。将来を期待される禅僧である。

 エバ大姉は仏陀の心を理想として、梵字を透して無限の神秘の世界の中に如来や菩薩を描き続けている。画面一杯に、細字の梵字と墨の特徴を活かして、精神をこめて緻密に彼女の心の中の仏陀を表現している。彼女の作品の前に立つと、幽玄な密教の香りがただよって来るようで、思わず合掌させられるから不思議である。

 お二人の画風は、方角が相反しているようであっても究極は、仏陀の心に達する道である。

二人の一層の精進と、その成果を期待して推薦の言葉とする。

 

1997.10.30

仙台市 蕃山 大梅寺

第26世 星 悠雲

(元 仙台市博物館館長)


写真

Yamadera